はじめに
昨年娘が生まれてから、外出時の荷物が増えました。ベビーカーを押しながら多くの荷物を持っていると鍵を開けるのも大変ですし、荷物が多いとその中から鍵を探すので一苦労です。
そんな事情もあって、鍵を直接鍵穴に入れなくても鍵を解錠できるハンズフリーキーに興味を持ちました。
更に調べるとスマートロックと呼ばれる商品が登場してきており、実際に利用されている方の満足度も上々であることを知りました。
Twitterの諸先輩方にアンケートを取ってみると約3割がハンズフリーキーもしくはスマートロックを利用しているということで、想像以上に普及してきていると共に、猛烈に購入意欲が高まりました。
元々私はなんちゃってミニマリストなので可能な限りモノは持ちたくありません。今も外出時は基本スマホと鍵しか持ち歩かないのですが、鍵を手放すことができればより身軽になります。
今回自分が購入する目線で色々と調べ、フォロワーさんからも有益なコメントもいただいたので、まとめたいと思います。
スマートロックとは
自宅の鍵に専用の機器を取り付けることで、スマホやAppleWatch等のデバイスから鍵の開け締めができるようになるものです。
スマートロックを使うことでこんな事ができるようになります。
- 鍵の持ち歩きが不要になる
- 外出先から鍵の施錠解錠ができる
- 合鍵の共有がデジタル上(スマホ)でできる
- 鍵の施錠解錠の通知を外出先でも受け取ることができる
- スマホだけでなく、AppleWatchやスマートスピーカーでも鍵の施錠解錠ができる
- 鍵の閉め忘れがないかを遠隔で確認することができる
昨今多くのスマートロックと呼ばれる商品が開発・発売されているのですが、QrioとSESAMIが主要な商品となります。
サブスク型で毎月のランニングコストが発生するものや追加工事が必要となるような商品もある中で買取制かつ追加工事不要というのが気軽に使えるポイントです。
比較する商品が多すぎても選びきれないので、私はQrioとSESAMIの2商品を比較検討することにしました。
スペック比較
同じスマートロックとはいえ、商品ごとに特徴があるので、利用用途により近い商品を選ぶことをおすすめします。
価格については、昨年12月に発表した新商品のSESAMI3が6,380円と非常に安いですが、スペックや機能の詳細がまだ明らかになっていない部分もあります。
項目 | Qrio | SESAMI |
サイズ | 115.5mm×57mm×77mm | 92.7mm×57mm×54.5mm |
重さ | 約207g | 約107g |
電池寿命 | 約半年 | 510日 |
オートロック機能 | ○ | ○ |
└施錠判定 | センサー式 | 時間式 |
手ぶら解錠機能 | ○ | ○ |
└解錠判定 | GPS+ビーコン通信 | GPS+ビーコン通信 |
ノック解錠機能 | × | ○ |
対応サムターン | 一部対応不可 | 概ね対応可 |
合鍵複製数上限 | 20 | 99 |
合鍵共有方法 | メール、LINE、AirDrop等 | メール、QRコード |
AppleWatch | ○ | ○ |
wena | ○ | × |
NFC | × | ○※ |
物理キー | ○(QrioKey) | × |
本体価格 | 20,500円 | 6,380円※ |
Wi-Fiデバイス価格 | 7,850円 | 2,178円※ |
物理キー | 3,970円 | × |
自転車キー | × | 4,378円 |
スマートスイッチ | × | 2,173円 |
商品詳細
Qrio
SONYの子会社であるQrio株式会社の商品です。アプリもSONYらしさというかwenaっぽい雰囲気になっていますし、wenaでの施錠解錠に対応したりなどSONY子会社ならではの部分もあります。
SESAMIと比べた時の優位点は以下4点です。
オートロックがセンサー式
SESAMIのオートロックが時間式(設定した時間になると自動で施錠される)に対してQrioはセンサー式です。なので、ドアが締まれば施錠されますし、ドアが閉まらなければ施錠されることはありません。
SESAMIの場合、宅配業者等の対応でしばらくドアを開けていた場合に鍵が閉まってしまったり、ベビーカー等を出すのに手間取っているとその間に鍵が閉まってしまう可能性があります。
かと言って自動施錠時間を長くしすぎるとセキュリティ上の不安があります。(最長4分まで可能)
センサー式のQrioであればそんな不安はありません。
手ぶら解錠の感度が高い(GPS+ビーコン通信)
QrioもSESAMIもスマホを持って鍵に近づけば自動で鍵が解錠される「手ぶら解除」機能に対応していますが、仕組みが多少違います。
SESAMIはGPSのみで自宅に帰って来たことを判定しますが、QrioはGPSに加えてビーコン通信で現在地を特定するため、手ぶら解錠の精度が高いです。
両商品の口コミを見る限り、手ぶら解錠の精度はバラつきがあり、うまく解錠できない・解錠するのに時間を要することがあるようなので、手ぶら解除を目当てにスマートロック導入を検討されている方は注意が必要です。
またSESAMI3については手ぶら解錠に対応しているか否かが公式サイトでアナウンスされていない為、対応していない可能性があります。(前モデルのSESAMI miniは対応)
2021年2月1日追記
SESAMI公式Twitterアカウントよりご指摘いただき、SESAMI OS1(SESAMII MINI)では手ぶら解錠にGPS+ビーコンを採用しているとのことですので、訂正させていただきます。
SESAMI3の対応可否についてははっきりとしたコメントはありませんでしたので、対応可否については注意する必要があります。またSESAMI MINIについてもビーコン発信頻度を制限しているようなので、手ぶら解錠の精度についてもタイムラグが発生する可能性があると思います。
合鍵のシェアが便利
スマートロックの良さの一つとしてデジタル上で合鍵を作り、その合鍵を実際に合うことなく第三者にシェアして鍵の施錠解錠をすることができます。
合鍵のシェアをする際に、SESAMIであれば、メールとQRコードでしかシェアができないのですが、Qrioであれば、LINEやAirDrop等より多くの手段で合鍵をシェアすることができます。
メールアドレスは知らないけどLINEで繋がっている人も増えてきていると思いますので、LINEで合鍵シェアができるのはQrioの強みです。
作成した合鍵は遠隔で権限解除もできるので、一時的に鍵を渡したいけど渡しっぱなしは嫌なので回収したいというような場合でも、期間を限定して合鍵を付与すれば回収不要なのでとても便利です。
物理キーで解錠ができる
SESAMIは基本的にスマホを持っていないと鍵を施錠解錠することができません。なのでスマホを持っていない人(子ども等)は従来どおりのアナログな鍵を使う必要が出てきます。
スマートロックの機能である施錠解錠の通知機能を使いたい方の中には、お子さんや高齢のご家族がいつ施錠解錠されたかを知りたいという人も多いと思います。施錠解錠の通知がほしいターゲットはスマホを持っていないケースが多いので、通知機能を十分に使うことができなくなります。
そういった際にQrioであればQrioKeyという物理キーを別売りで提供しており、ボタンを押すだけで施錠解錠ができるようになります。もちろんその際は通知が入ります。
鍵を使う方全てがスマホユーザーであればQrioKeyの魅力は薄れそうですが、スマホを持たない方にも鍵を提供したい、施錠解錠の通知を知りたい等のニーズがある方はQrio一択になるかと思います。
*通知機能の利用のためには、別途Wi-Fiモジュールを購入し、設定をする必要があります。Wi-Fiモジュールを活用することで、通知機能だけでなく遠隔での施錠解錠や鍵のステータスを遠隔で確認することができます。
SESAMI
Jerming Gu率いるCANDY HOUSEが開発した商品です。2015年にアメリカのクラウドファウンディング「Kickstarter」にてSESAMIを発表し、たった2ヶ月で1,4億円を達成しました。そこから日本用にカスタマイズしたSESAMI miniを同じく日本のクラウドファウンディング「Makuake」にて発表し、1億円を達成した商品です。
2020年の12月に新商品であるSESAMI3を発表し、2021年1月末には第一弾の発送が開始されております。
尚、SESAMI3は発売したばかりの為、注文後順次配送となります。現在注文しても2月末配送となりますので、ご注意ください。
SESAMIの優位点は以下6点です。
価格が安い
新たに発売されたSESAMI3は単体で6,380円と破格の値段です。ライバルのQrioが20,500円であることを考えると半額以下になります。
さらに遠隔操作や施錠解錠通知に必要なWi-Fiモジュールも安く2,178円です。Qrioが7,850円なので付属品でも価格差があります。本体+Wi-Fiモジュールだと約20,000円もSESAMIの方が安くなります。
鍵は一度購入すると引っ越しをしない限り変えることはない為、20,000円を惜しんで必要な機能を外す必要はないと思いますが、中にはお試しだったり、賃貸マンション等で期間限定でスマートロックを使ってみたいという方もいらっしゃると思います。
そういった方にとっては本体+Wi-Fiモジュールセットでも10,000円を切るSESAMI3の価格は魅力的です。
対応するサムターンが豊富
QrioとSESAMIは設置工事を行うことなく簡単に設置できる良さがある反面、対応可能なサムターンに制限があります。SESAMIの方が対応するサムターンが多いため、使える部屋はSESAMIの方が多いです。
さらにSESAMIでは、付属のパーツで鍵の施錠解錠がうまくできなかった場合はカスタマーサポートに連絡すれば、3Dプリンターを使って自宅のサムターンにあったアダプターの作成・送付を無料でしてくれるようです。
Qrioはパーツを有料で別売りしていたりするので、ニッチなサムターン(築古の住戸等)の場合はSESAMIの方が良さそうです。
各社の対応サムターンは以下の通りです。対応サムターンか否かは事前にご確認いただくことをおすすめします。
Qrio
SESAMI
カスタマーサポートが良い
SESAMIを調べていて多かった口コミが、カスタマーサポートが丁寧で優秀ということです。公式HPを見ると連絡先のカスタマーサポート用のメールアドレスが掲載されていますが、その横に「必ず返信しております」との記載があります。
なかなか「必ず」を宣言できる会社はいないと思いますので、いかに同社がカスタマーサポートに力を入れているかを垣間見る事ができます。
実際、上記のようにサムターンが合わない場合も3Dプリンターを使って個別対応をしてくれたりと親身な対応のようです。
多くの方は初めてのスマートロックとなると思いますので、何かあった時に親切丁寧なサポートが有るというのは安心です。(Qrioが不親切ということではないです)
解錠のパターンが豊富
SESAMIならではの解錠方法としてスマホのノック(iOSのみ)やNFCでの解錠があります。
ノックはスマホをわざわざ出す必要がなくて便利ですし、NFCもスマホをかざすだけで解錠できるので、より便利に利用することができます。
*ノック解錠は感度が今ひとつという口コミもありましたのでご注意ください
IFTTTに対応
IFTTTに対応しているので、IFTTT対応のデバイスと連携して、より便利に使うことができます。
私は具体的な使い方のイメージがわかなかった為、あまりプラスにはならなかったですが、IFTTTを使いこなして家電連携をしている人は鍵の解除をトリガーに家電のコントロール等ができると便利かもしれません。
関連商品が豊富
SESAMI3の発売と合わせて、自転車用のスマートロック(SESAMIサイクル)やスイッチボット(SESAMIボット)も発売されました。
自宅の鍵をなくしても自転車の鍵を持ち歩くことに慣ればキーレスになりませんので、日頃自転車の鍵を持ち歩いている人にとっては自転車の鍵もまとめて管理できるSESAMIサイクルは魅力的だと思います。
またSESAMIボットは、マンション共用部のオートロックを鍵を持たずして開ける商品です。
方法はかなり古典的で、自宅のインターホンのオートロック解錠ボタンのところにSESAMIボットを設置します。後は、自宅に入る際に自分で自宅の部屋番号を押してインターホンを鳴らし、SESAMIボットを遠隔操作して解錠ボタンを押すことでオートロックを突破するというものです。
個人的にはここまでする必要はないかと思いましたが、ランニングで手ぶらで外に出たい人や鍵をなくした時のリカバリープランとしての導入はあり得るかと思いました。
こういったSESAMIサイクルやSESAMIボットも同一のアプリで管理できるのは便利です。
こんな人におすすめ
Qrio
- 価格は高いが施錠解錠の精度の高さを求めたい人
- スマホを持たない人にも合鍵を持たせたい人
- 合鍵のやり取りをメール以外(特にLINE)でやりたい人
SESAMI
- 価格を抑えてスマートロックを導入したい人
- 自宅のサムターンが一般的でない人(特に築古住戸の人)
- 多くの人に合鍵を渡すような使い方をしたい人
- オートロックの解錠や自転車の鍵も同時にSESAMIで管理したい人
マンションオプションのハンズフリーキーと比較
特に新築マンションを購入される方は、マンションのオプションでハンズフリーキーを選べる人もいらっしゃると思います。
マンションのオプションのハンズフリーキーは共用部分のオートロックも自宅鍵の施錠解錠も同一鍵で管理できるので便利です。(マンションによっては1本の鍵で施錠解錠に対応してない場合もありますのでご注意ください。)
どうしても鍵を手放したいという方以外は、マンションのハンズフリーキーの方が便利なケースが多いと思います。
普段はマンションの鍵を使い、鍵を持たずに外出したいときだけスマートロックを活用するのもあるかもしれません。
ここは要注意
非常に便利なスマートロックですが、以下のようなリスクも存在します。
スマートロックを導入し、鍵を手放す場合は家の外のどこか目立たない場所にキーボックスを設置し、予備の鍵を準備しておくのが安心かもしれません。(全くスマートではないですが…)
スマートロックの電池切れ
スマートロックには電池が入っていてその電力で鍵の施錠解錠を行います。電池切れになってしまうと鍵の施錠解錠ができなくなる恐れがあります。
アプリで電池残量が見えるのと、残量が少なくなってくればお知らせしてくれるようですので、よほど気を抜いていなければ大丈夫だと思います。
スマホの電池切れ・アプリの不具合
特に懸念されるのはこちらです。スマホの電池が切れてしまうと施錠解錠ができなくなりますので、いつも家に帰る頃にはスマホの電池がなくなってしまう方は注意が必要です。
また何らかの不具合でスマホやアプリが動かなくなってしまう場合も同じく鍵の施錠解錠ができなくなります。
締め出しリスク
オートロックは鍵の施錠が不要になるので非常に便利な機能ですが、ゴミ出しなどちょっとした外出の際にスマホを持たずに外出してしまうと、締め出されてしまう恐れがあります。
最後に
スマートロックについてなんとなく存在は知っていましたが、よく調べてみると色んな使い方があり、使い方によっては生活を便利に豊かにしてくれるものだと思いました。
特に我が家は子どもがまだ小さいので、ベビーカーを始め外出時の荷物がとても多く、鍵の施錠解錠は不満の一つだったので、これが簡単にできるようになることはとてもありがたいです。
これからSESAMI3の第一弾の発送が開始されるため、しばらくすればSESAMI3を利用された方のレビューが出てくると思うので、我が家としてはそれを見て最終的な購入判断を行いたいと思います。
工事不要でお値段もお求めやすい価格なので、ミニマリストで手荷物を一つでも減らしたい方や、小さなお子様のいる家庭は購入をご検討されても良いかもしれません。
コメント
長年両方とも愛用してますが、それぞれの長所短所が、的確に記載されています!
検討中の方は、このブログを読んでから決めると、後悔はしないと思います。
ただ両方使ってみて言える事は、どちらに決めても、満足はされるかとは思います。
タワー猫さま
コメントありがとうございます!
長年利用されている方からのコメントありがたいです!!
調べてみてどちらもいいなと思えるプロダクトでした。