はじめに
マンションというのは一つとして同じものがないことから、価格の妥当性が分かりにくい商品だと思います。
例えば、コーラが自販機で200円で売っていれば誰もが高いと思いますが、マンションが相場より500万高くてもそれが高いか否かを瞬時に判断できる人は多くないと思います。
RVの高いマンションにはいくつかの基準があります、最寄駅・駅距離・住戸数…一定の基準に当てはめることで、資産性の低いマンションを購入する可能性を大きく下げることができます。
しかしながら、いくら条件の整ったマンションでも販売価格がそれ以上に悪ければ資産性は期待できません。新築・中古問わず、マンション購入においてその価格が妥当かどうかを見抜く力は必要不可欠です。にも関わらず、その価格の妥当性を確認するのが、マンション選びでも難しいポイントの一つだと思います。
私も最後まで、購入したマンションが適正な価格だったのか不安でしたが、引き渡し後早々に販売価格より値上がりして複数の部屋が売買されていることから、適正価格のマンションを選ぶことができたのだと思っています。
これからマンション購入を検討されている方向けに、そんな私自信が新築マンション購入を行った際に行った価格の妥当性のチェックの仕方をご紹介したいと思います。
お宝マンション、シティタワー品川
価格がいい意味で適正ではなく、申込が集中し大抽選となったマンションが過去にあります。それがシティタワー品川です。
2008年4月竣工、品川駅から徒歩10分、総戸数828戸、売主は住友不動産、施工は竹中工務店、豪華な共用施設にスーパー・医療機関・保育施設・小中学校・公園が隣接という完璧なスペックに加え、なんと坪単価が平均で約120万という売主がボランティアで販売しているのではないかと思ってしまうくらいの異常な安値で販売されました。
その結果平均倍率17倍、最高倍率は378倍という宝くじのような倍率となりました。今でも売り出し価格の2倍以上の値段で売買されており、当時購入された方は今何千万という含み益をお持ちのことでしょう。
こんなお宝マンションに出会うことはもうないと思いますが、売主にも様々な事情がありますので、適正価格より割安で販売されるマンションは今でも存在します。少なくとも適正価格であるかはしっかり見定めてマンションを選ぶことがRVの観点からは重要です。
適正価格をどうやって調べるか
中古マンションの販売価格を見る
購入しようと思っている物件と条件の近しい物件の坪単価が将来価値のベンチマークとなります。例えば新築マンションの購入を検討している場合、そのマンションと同条件で築10年の中古マンションの坪単価がその新築マンションの10年後の売却価格の目安となります。
新たにエリアNO1として建設されるマンションの場合は、その付加価値がプラスされますのでその価値を考慮する必要があります。付加価値の程度にもよりますが、+10%〜20%くらいであれば一般的には妥当です。
尚、沖さんの理論では、坪単価4万/年、物件価格は下落すると言われています。坪400万の新築マンションは10年後には、4万×10年=40万下落しますので、坪360万となるといった考え方もあります。
中古マンションの価格動向と坪4万下落理論を組み合わせることで精度は上がります。
賃貸マンションの賃料を見る
上と同じように同条件マンションの賃料を確認し、購入予定のマンションが賃貸に出た場合の想定の賃料を確認します。
この際に注意いただきたいのが、賃貸用に作られたマンションと分譲マンションはマンションにかけているコストが大きく違うため、スペックは分譲マンションが優れています。その分が賃料にも反映されるので、比較する場合は分譲マンションで賃貸に出ている住戸、タワマンの場合はタワマンに絞って比較するのが望ましいです。
想定の賃料を算出すれば、「物件価格÷賃料」を計算し、以下で妥当性を確認します。
- 350以上:高値掴みの可能性があります!
- 300前後:少し割高、その他条件を満たせば購入してもよし
- 250前後:適正価格、価格については気にする必要なし
- 200以下:割安!資産価値は合格なので積極的に買い検討を
さいごに
適正価格が掴めるようになれば、損をしないマンション選びができる確率は大きく上昇します。特に中古マンションは判断のスピードが重要なので、良質の中古マンションを購入するチャンスが増えると思います。もちろん将来のことは誰にも分かりませんので、過信は禁物です。
購入したマンションが買った瞬間に大きく値下がりするのを目の当たりにするのは精神衛生上望ましくありません。もちろん売却をしなければ損失は確定しないわけですが、人生の選択肢を狭めてしまうことに繋がります。
購入時と変わらない価格でスピーディーに売却できる資産性の高いマンションを選ぶことはマンション購入におけるリスクの多くをヘッジしますので、適正価格で資産性の高いマンション選びを念頭に置いた上で、日々の暮らしが充実するマンションを選んでいただければと思います。
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