はじめに
新築マンション購入時にはデベロッパーに対して手付金なるものを払う必要があります。一般的には物件価格の10%です。
無事マンション購入できれば引き渡し時に返ってくるのですが、5,000万のマンションであれば、500万もの大金が一時的に手元から離れてしまいます。
私は、手付金を100万に抑えることに成功しました。もちろんすべての方が同じように100万にすることはできないかもしれないですが、手付金を安くしてもらうことは得はあっても損はありませんので、チャレンジしてみる価値は十分にあります。
手付金とは
マンション申込を行う際にデベロッパーに支払うお金です。いろいろな目的があるのだと思いますが、端的に言うと苦労して申込までこぎつけた契約者に逃げられないようにお金を人質に取ってキャンセルを発生させないようにする、デベロッパー都合のお金です。
大規模な新築マンションの場合、第一期の売り出しから引き渡しまで、3年程度間が開くこともあるため、大金を人質にとることで、デベロッパーとしては、確実に引き渡しまで持っていくことが狙いです。ですので、契約者の都合によるキャンセルの場合は、支払った手付金は返ってきません。ただ逆にデベロッパーの都合でキャンセルとなった場合は、多くのケースで払った手付金の倍の金額が返ってきます。
とは言ってもデベロッパーの都合でキャンセルとなるのはレアケースであり、手付金支払いに関するリスクの多くは、我々購入者が負うこととなります。またその金額も一般的には物件価格の10%と高額です、5,000万の物件だと500万もの大金を無利子で、長ければ3年近くデベロッパーに預ける必要があります。
手付金を安くするメリット
運用益を手に入れる
浮いたお金は自分で運用することが可能です。例えば500万の手付金を100万に抑えることができれば、400万手元にキャッシュが残ります。その400万をご自身で運用することで運用益を手に入れることができます。
もちろん運用については、自己責任となりますが、例えば手元の400万で配当利回りが約7%のJT株を購入すれば、年間約22万(税引後)、複利未考慮でざっくり計算しても3年で60万近くの配当を得ることができます。
満額の手付金をデベロッパーに納めていたらこの配当は手に入りません。60万あれば、新しいマンションの家具や家電を買うことができます。家電製品なら一通り必要なものは揃えられそうです。
申込後の市場の変化に対応できる
今のマンション市場は高値圏と言われています。もしかしたらコロナの影響で急速に市場が冷え込み、マンションの価格が下落してしまうかもしれません。そんな時に崩れていく市場を指をくわえて眺めるだけというのは非常に悔しいと思います。
手付金を安く抑えることで、何かあった際にも手付金さえ手放せば契約を破棄することができます。もちろんそんなことはないに限りますが、契約して引き渡しまでの期間はとても長く感じます。
また契約から引き渡しの間にライフプランが変わってしまうケースも考えられます。我が家の場合は、契約から引き渡しまでの間に子どもが生まれました。
そんな場合でもいざとなれば手放すことができるという選択肢を持つことは、精神衛生上良いことだと思います。
また引き渡しまでの間に、今契約しているマンションを超えるマンションに出会うことがあるかもしれません。そう言った場合でも手付金を手放すことで別の選択をすることができます。
多くの選択肢を持つためにも手付金は安く抑えるのが望ましいです。
手付金を100万に抑えた方法
これは私の実体験です。当初物件価格の10%と言われていた手付金を大きく減額することに成功しました。
以下が減額までの流れです。もちろんデベロッパーも営利企業なので、いたずらに手付金の減額には応じないと思います。また営業担当としても、上司に稟議を提出する必要があると思われるため、稟議を起案する手間もかかりますし、手付金を減額した人に逃げられてしまえば、怒られてしまうはずです。
本当に買う気があって、契約をキャンセルしない人でなければ応じることはないと思います。
- 見学当初から、手持ちのキャッシュが少ないことを伝えていた(引っ越ししたてで本当に貯金がありませんでした)
- 本気でマンションを買う気があることを伝えていた
- 何度もモデルルームに足を運んだ
- 住宅ローンの仮審査を通した
- 要望書を提出した
- 抽選に受かれば、このマンションは確実に申し込むつもりであると伝えた
- でも手持ちがなく、物件価格の10%の手付金は払えないので、なんとか力を貸してほしいと営業担当の方にお願いした
- 100万までならなんとかすると伝えた
結果的に営業担当の方に頑張っていただき、手付金を減額し、100万にしていただけました。私自身も手付金が安くなったことで申込をすることができましたし、引き渡しまでの2年間の精神的な不安も抑えられることができました。
もちろん相手に負荷のかかる話ですので、本当の申込の意思のあるマンションでのみ営業担当の方に相談してみるのが良いと思います。
手付金の保全措置とは
手付金減額交渉をするにあたって、営業担当から手付金の保全措置について説明があるかと思います。
詳しくは割愛しますが、物件価格の5%を手付金として支払っておけば、デベロッパーが仮に倒産したとしても、払った手付金は戻ってくるという仕組みです。
100万まで減額すると5%を切ってしまいますので、万が一引き渡しまでにデベロッパーが倒産した場合に手付金が返ってこなくなります。
これについては、私は全く気にしませんでした。昨今新築マンションを供給しているのは大手のデベロッパーが多く、経営状況はかなり安定しています。大手のデベロッパーはマンション販売だけでなく、法人向けのオフィスの貸し出し等で安定した収益を手にしており、経営も多角化しています。たとえしばらくマンションが売れなくなったところで倒産することはまずあり得ません。
デベロッパーが倒産するその何百倍もこちらの都合で契約をキャンセルする可能性が高いと判断しましたので、5%を超える減額の相談を行いました。
さいごに
特に大規模な物件は申し込みから引き渡しまでの期間が長いです。もし何か会った際のリスクを最小限に留めるためにも手付金は減額してもらうのが望ましいです。
その一方で担当する営業担当の方も人間です、手付金減額は相手の手間も取らせる話ですので、本当に申込をしたい物件のみに相談は留め、減額してもらったら確実に申込を行う配慮は必要でしょう。
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