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【マンション売却記】③一括査定サイトと手数料無料会社

マンション売却記

はじめに

前回までの振り返りはこちら。

両手仲介と囲い込みについて書きました。

売却のタイミングとおじを封印する重要性について書きました。

いよいよ、本題の仲介会社選定に進んでいきます。

仲介会社を選んでいく際に目にしがちな「一括査定サイト」や「仲介手数料無料会社」について、その仕組みと是非について整理していきます。

一括査定ってどうなの?

車を売却したことがある人なら使った方も多いかもしれません。不動産売却においても多くの会社が一括査定サービスを展開しています。

基本的には車の一括査定サイトと似ていて、エリアや売却したい不動産の情報を入力して登録すると、様々な仲介会社から連絡がきます。その中で条件の良い会社と媒介契約を締結し売却を進めていく、というものです。

一点車の一括査定サイトと大きく異なる点があります。それは、車の一括査定は業者が査定額で直接買い取ってくれるのに対し、不動産一括査定の査定額はあくまで「理論売却価格」であることです。この違いはとても重要であり、この点で私は不動産売却においては一括査定サイトの利用を推奨していません

車の場合は「自社で買い取る価格」なので、迂闊に高値査定を出せません。一方であまりに安い価格となると他の業者に取られてしまうことになるので業者間での競争が働き、利用者(車の売却者)にとってメリットがあります。

不動産の場合は「理論売却価格」なので、どんな金額を提示しようともその仲介会社にとってリスクはありません。ほぼ間違いなく売れない高値で提示し、売れなかったとしても仲介会社に対するペナルティは何もなく、利用者(不動産売却者)がそのリスクを全て抱えることになります。

また多くのケースでサービス利用者は不動産の素人なので、提示された査定価格が売れない価格かどうかを判断するのは難しいです。加えて仲介会社の良し悪しは「査定額」以外の定量的な判断材料が乏しいことから、高い査定額を出した会社が媒介契約を獲得しやすいです。そのため、高値の査定価格を提示するバイアスが仲介会社側には働きます。

高値の査定価格を提示するバイアス」はどんなケースでも発生するのですが、一括査定サイトを使った際はより顕著に現れます。

一括査定サイトを使ってサイト登録者の情報を得る際に仲介会社は一定の費用を媒体側に支払っているケースが多いです、要はお金を払って個人情報を買っているのですが、ビジネスとして考えると1件でも多く買った情報から媒介契約に結び付けないとコスパが悪いです。また一括査定サイトを使っている時点で複数会社との比較検討が行われるケースが大半なため、その中で選ばれるために会社間の競争が働きます。車の場合は業者間の競争が売却額UPに繋がるため利用者にベネフィットがあるのですが、不動産の場合は単なる査定額の釣り上げに繋がりやすく利用者のベネフィットになりません

こうして釣り上げられた査定価格で売れると信じて媒介契約を締結し、何も知らずに売却活動を開始するとポータルサイトを見たマンションセミプロの人達からスケベ価格だ!とSNSで晒されることになります。当然ながらほとんどのケースで売れません、なぜなら価格設定の根底にあるのが「売るため」ではなく「媒介契約を取るため」だからです。

「仲介会社は成功報酬なので売却できないと彼らの利益にもならず意味がないのでは?」と思われる方もいると思いますが、それはその通りです。しかし一度媒介契約の締結さえしてしまえば、あとは仲介会社の思う壺です。しばらく放置した後にそれっぽいロジックを組み立てて「思ったより反響がないので価格を下げますか?」と値下げを迫ってきます。そして相場なりに価格を下げることさえできれば、サクッと売れて仲介会社は仲介手数料を手にすることができます。

仲介手数料無料会社ってどうなの?

売却時の仲介手数料を無料にすると謳っている会社もあります。手数料が無料になること自体は利用者にとって良いことですが、もちろん良いことだけではありませんので、メリデメを十分に理解した上で利用することが重要です。

仲介会社もボランティアではないので、売り手から手数料を貰わない分、どこかで利益を確保しないとビジネスが成立しません。その利益は買い手から手数料を受領することで確保しているケースが大半です。つまり両手仲介にする必要があります

両手仲介ってなんぞや?って方はパート①の記事をご覧ください。

「結果的に両手仲介になること」と「両手仲介に必ずしないといけないこと」の差はとても大きく、後者が求められる本ケースでは客付け業者からの送客/紹介を受け付けないことになります。具体的にはレインズへの掲載義務の発生しない一般媒介契約を締結し、売主了承の元ポータル掲載のみで営業を行うケースが多いと考えられます。

客付け業者の送客を排除することになるので、検討者の母数は下がります。結果的に成約までの期間が長期化するリスクがありますが、仲介手数料が無料という売り手にとってはベネフィットがあります

[①不動産売買にかかる利益-②仲介手数料含めた諸費用=③売り手の手残り]なので、販売が長期化したとしても①が変わらないのであれば、②が抑えられる点で③が増える可能性はあります。

検討者の母数が減って販売が長期化することは指値含めて売却価格が下振れる可能性があること、「仲介手数料無料」とは言っていますが、別途事務手数料等の名目で一定のフィー支払いが必要なケースがあることには注意が必要です。

媒介契約の種類

売却を行う際は売主は仲介会社と媒介契約を締結する必要があります。そして媒介契約には次の3つの種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

細かい点は色々違いがあるのですが、ポイントになるのは「同時に複数社と媒介契約を締結できるか」「レインズへの登録義務があるか」の2点です。

同時に複数社と媒介契約を締結できるか

「一般媒介契約」のみが同時に複数社と媒介契約を締結することが可能です。

複数社と同時に契約することによって、ダメな会社や担当にあたってしまって売却がスタックするリスクを分散することが可能です。複数社がポータル掲載をすることにもなるので囲い込みリスクも低減できる点はメリットと言えます。

ネットの記事などでは、複数社と同時契約することで競争を煽ることできるのでヨシと書かれているケースもあるのですが、自分たちの成果にならない可能性があることから積極的に金と時間をかけて販売をしてくれないリスクもあり、この点は一長一短です。

あと個人的には複数社と媒介契約を結ぶことで各社がポータルへの掲載を行い、結果的にポータル上に同じ物件がズラッと並んでしまう点は好みではないです。ポータルをよく見る立場からすると同じ物件がズラッと並ぶことで売れ残り感が出るためお得さを感じづらいです(あくまでも個人の感想ですが)。

後述しますが、レインズへの登録義務もないので、客付け業者経由の送客を取りこぼしてしまったり、空室での売却の場合は複数会社に鍵を渡して内見を担当してもらうことになるため、部屋で何かトラブルが起こった際の責任の所在も不明瞭になる点も考慮すべき要素です。

レインズへの登録義務があるか

「専任媒介契約・専属専任媒介契約」はレインズへの登録義務があります。それぞれ媒介契約締結の日から専任媒介契約は7日、専属専任媒介契約は5日以内の登録が宅建業法上で義務付けられています。また売主への営業活動報告義務もあります。(専任媒介契約は2週間に1回以上、専属専任媒介契約は1週間に1回以上)

レインズへの掲載を行うことで客付け業者からの送客も期待できます。また仲介会社としては売れさえすれば売主からの仲介手数料が入ることが確定している上に、上手く買い手を見つけてくれば買い手からの仲介手数料も得られるチャンスがあるので、気合を入れて営業活動をするインセンティブが一般媒介契約よりも働きます

独占的に売却活動を担当できる専任媒介契約は、仲介会社からしてもメリットが大きいので、仲介手数料の割引や部屋クリーニング費用の負担などプラスαの特典がついてくることも多いです。

デメリットとしては1社独占の契約になるので、悪意ある会社や担当にあたってしまった時の機会損失が大きい点です。囲い込みリスクもここに含まれます

尚「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の違いですが、「専属専任媒介契約」は売主が買い手を見つけることができません。基本は「専任媒介契約」で考えたので良いかと思います。

どちらが良いのか?

「一般媒介契約」と「専任媒介契約」それぞれメリデメがあります。

私は「専任媒介契約」を選びました

囲い込みのリスクがあること以外は「専任媒介契約」の方がレインズへの登録実施含め、売却を頑張ってくれそうである点が売却スピードと売却額の最大化に繋がると考えたためです。そして囲い込みリスクの回避については契約時のあるアクションで一定リスクを抑えられると考えたためでした。

さいごに

具体的な会社選定の話までたどり着けませんでしたので、続きは次回記事にて!

マンション購入・売却でご相談があれば以下フォームより受け付けておりますので、お気軽にご利用ください!

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